読心術殺人事件

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 加藤大樹(だいき)は高校生の頃から文芸部に入り当時、流行っていたSF小説を書き続けていた。  大学生になってからはどのサークルや部活にも参加せず、あるSF雑誌の文学賞に応募し続けた。大学三年生の冬に見事最優秀賞を受賞する。大学生ということが話題になり一躍注目を浴びた。SFがたくさん映画化されていた時代で、大樹が書いた作品がテレビでドラマ化されたりもした。小説を書けばそれはすぐに雑誌に掲載され、単行本になり堅実な売れ行きを見せていた。  大樹は彼の小説のファンであった愛子という女性とつどいで知り合い交際を続けていた。小説家としてなんとか生活できそうだと感じた二十五歳の時に愛子と結婚しマンションを購入、その一年に後女の子が生まれた。それは順風満帆の航海のように思えた
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