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日常というものはうわべから見れば本当につまらないものであるが、心の奥底をのぞいてみれば、多くの人々は淫らな思いや途方もない欲望を押し込め生活しているのである。
大樹はSF小説という虚構に限界を感じていたので、日常で起こった些細なできごとを丁寧に描き出した方が血の通った人間を生き生きと描くことにつながるのではないかと考え始めた。
大樹はそういった日常のずれをテーマにしたミステリー小説を書き始めた。
この変化は今までの編集者には好意的には受け止められなかった。SF小説雑誌の編集者であったから、その対応は当然のことであった。
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