episode:2

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episode:2

*** 「まぁ~たボスが変な子拾って来たよ」 富裕層の集まることで有名なダンスホール襲撃を終え、『survivor』のメンバーのひとりが、ジンの後ろに控えているヒバリを見て口を尖らせる。 「ボスってば、好きだよねー。そういう無気力な子」 年齢は、30歳くらいだろうか おかっぱ頭と巨乳、そして分厚い唇と筋肉質な腕が特徴的なその女性は、名をサオリと言った。 自身の右腕的な存在であるサオリの言葉を聞き、ジンは不機嫌そうに黒髪をかき上げる。 「うるせぇ、もうコイツは俺のもんだ。手ぇ出したらぶっ殺すぞ」 上空都市の一角にあるアジトに案内されたヒバリは、花魁姿から全身黒のスーツに着替えていた。 そんな格好では目立つからと、死体から剥ぎ取った地味な服に着替えさせられたのだ。 アジトには、幾人もの『survivor』のメンバーが生活していた。 メンバーというよりは、鍛え上げられた身体を持つ戦士、というべきだろうか。 皆30代前半くらいの大人で構成されており、夜藤 仁ことジンは、この組織のトップらしい。 (確かに、言われてみれば迸るカリスマ性が、彼にはあるけれど……)っと、ヒバリは妙に納得してしまう。
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