episode:2

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「ボスゥ? 次は襲撃、どこにすんの?」 顔面に蓮の花のタトゥーを施し、金髪頭にピアスだらけの両耳をした男、ギンジが卓上に地図を広げた。 バサッと広がる地図のせいで埃の舞う中、真っ直ぐに伸ばし直された地図には、上空都市にある有名な建物がマーカーで色付けされていた。 しかしそのほとんどに、バツ印が描かれている。 「このバツって……」 ヒバリが首を傾げると、卓上に身体を乗せ、足をバタつかせながら、ギンジが答える。 「ああ、それはもう襲撃した建物だよん」 自分よりも10コは年上の容姿をしているにも関わらず、どこか幼稚さを感じさせるギンジの言動に違和感を感じつつ、ヒバリは地図を眺めていた。 ジンが次の建物に狙いを定め、近くにあった果物ナイフを突き立てる。 周りのメンバーはボスである彼の意思を尊重し、「ついに、この場所か」と声を漏らした。 ジンは椅子にもたれながら、側に立つヒバリに説明を付け加えてやる。 「一応、ヒバリにも説明しといてやるかぁ。俺たちはな、ただの人殺し集団じゃないぜ? 俺たちは各建物に隠された、ゲートを開いてるんだ」 「げ、ゲート……って?」 そこには、ヒバリの知らない世界の真実が、隠されていた。
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