episode:2

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地上には元々、地球温暖化により人口が維持できる程の資源なんて、残されていなかった。 だから人々は考えた。 上空に都市を作り、そこで富裕層と優秀な人類を繁栄させようと。 そして現存している中でも数多くいる貧困層には、地上に住んでもらい、資源をあまり使うことなく人生を早く全うしてもらおうと。 そこで上空に住んでいた者たちは、地上に住む人々に向かって、身体に負担のかかる電波を流し始めた。 計画は大成功、地上に住む貧困層の平均寿命は40歳となり、地上の資源は減ることなくむしろ余り始め、増える結果となった。 しかし、寿命を縮める電波は今もなお、流し続けられている。 「俺たちはその電波を流しているゲートを壊して、地上に住む人たちの寿命を元に戻すために、動いてんの」 ジンから世界の真実を聴き終えたヒバリは、困惑した。 人の寿命を左右する機械が、この世に存在するなんて、知る由もなかったからだ。 「でも、目的を果たす為ならば、あんな風に惨たらしく人を殺しても良いという理由にはならない」 語尾を強くして異論を唱えれば、ヒバリに対して殺気立ったメンバー達の視線が突き刺さる。 ジンは片手を上げてメンバーを制し、言葉を続けた。 「……でもな、俺たちは知っちまんたんだ。上空都市に住む奴らが、地上から奪った人たちの寿命を金で買い取って、自分たちの肥やしにしてるってことをよ」 「……え?」
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