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アジトで衝撃的な真実を突き付けられた私は、短く息を吐いた。
「人の寿命を伸ばす、か……」
手配されたマンションの一室から見上げる夜空には、満天の星々が輝いている。
「そんなことして、一体何になるんだろう……」
次の襲撃先を告げたジンは、みんなに対して、アジトでこう発言した。
『スカイタワーは守備が固い。今までの中でも1番苦戦する事になるだろう。仲間が何人も死ぬことにもなるだろう。だが、此処で最後なんだ。地上の人々の為にも、俺たちは最期まで戦おう』
それは明日1日で、仲間になるか殺すか、真偽を見定めろって私に言っているの?
「そう言えば殺された先輩……撃たれたってことは、寿命を伸ばしてたってことだよね……」
よくよく冷静になって考えてみて、それについてもショックだった。
ずっと慕っていた先輩が、お金で人の命を買っていたなんて……。
「もう嫌になってくる。何を信じて良いのか、分からない」
布団に包まり、身を小さく縮こまらせていると。
コンコンッと、部屋の扉がノックされる。
「.……はい」
ドアノブを握ってガチャリと前に押し出すと、そこに立っていたのはジンだった。
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