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私の目の前に広がる光景は、いつも変わらない。
煌びやかなサイバーネオンの下で人々が世を忘れたかのように、歪なダンスを踊ってる。
男の人は皆、昔々に存在した花魁という身なりをしたダンサーの私たちに、鼻の下を伸ばしている。
馬鹿みたい、そんなことを思いながら、腰を燻らせ、扇子を折り返す。
このダンスホールに入場出来るのは、選ばれし勝ち組だけ。
地上から遠く離れた100階建てのビル、最上階。
ここはそんな場所にあるダンスホールだ。
地上では土壌汚染が広がり、住んでいるのは空に住む権利の得られなかった、貧乏人ばかり。
しかし、私は特例だ。
私は空に住もうとしていた両親に、資金集めの為に身売りされた。
そして運良く此処での仕事を与えられ、幼い頃から地上がどんな風になっているかなんて知らずに、ただ客を相手にして生活出来ているのだから。
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