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部屋に残されたのは、タバコの香りと、変に苦しくなった胸を押さえ付ける、私だけ。
「なに、いまの……」
恋い焦がれて、空を見上げていた?
私のことを想って、空を?
曖昧に言葉を濁されたまま、唇に僅かな温もりだけを残されて、固まってしまう。
激しいダンスを踊った後みたいに、どうしてこんなにも、胸が熱く張り裂けそうになっているのだろうか。
私はもう一度、彼に決意した言葉を口にして自分にも言い聞かせた。
「貴方のことを、明日で見定めさせてもらうわ。私は、逃げも隠れもしないから」
───── (episode:3)へ続く ─────
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