episode:3

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スカイタワー内部にある、ゲート付近では。 サオリとジンが、最期の踏ん張りを見せていた。 「くそっ、ギンジが殺られたって連絡がっ」 メガネ越しに小型機で連絡を確認し、悔しそうに唇を噛み締めるサオリの背に、同じく眼鏡をかけたジンが喝を入れる。 「はっ、先に逝って待ってるってことだろうが。俺たちはまぁ、のんびり行こうぜ? ギンジに待たされることはあっても、待たすことなんて滅多に無い機会なんだからよ?」 その言葉を聞いたサオリは、流れ始めていた涙を拳で拭い去り、数少ない残りの仲間と共に、ジンを援護する。 「良いねぇ、それ。最っ高に滾るよ!」 彼らは幾つもの銃弾を浴びながらゲート前に群がる敵を一掃したあと、歯を食いしばり、メインコンピューターに向けて銃を連射した。 コンピューターの画面は割れ、スカイタワーの電源が落ち、昼間にも関わらず辺りは暗闇に包まれる。 システムを停止します、とのアナウンスが聞こえれば、それは彼らの使命が終わったことを意味していた。
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