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何処からか、パーンッと、ひとつの甲高い銃声音が響いた。
それはジンの胸を貫き、彼を床に叩きつけた。
かけていた黒ぶち眼鏡が衝撃で外れ、カラカラッと床の側面を滑っていく。
「ジンっ?!」
打ったのは、ヒバリではない。
近くに倒れていた別の人間が最後の力を振り絞り、彼を打ったのだ。
「ざまぁ、み……ろ……」
命を弄んできた上空都市の住民はそれだけ言うと、静かに息絶えた。
ヒバリは慌てて横たわるジンに駆け寄り、止血を試みる。
がしかし、無情にも血は隆々と流れていく。
「お願い、止まって……っ」
それは願いにも似た、悲痛な叫びで。
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