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必死に自分を助けようとするヒバリのことを、どこか客観的な視点から見つめるジンは、生か死かの狭間にいるにも関わらずやけに冷静だった。
「俺を、たすけ……、る、のか……」
「貴方は両親から私のことを聞いていたとしても、私はまだ、貴方のことを何も、知らないからっ。だからっ」
ヒバリは両手から溢れる血に涙を浮かべ、なにか打開策は無いかと周囲を見回す。
「あ、……」
彼女の目に入ったのは、スカイタワーの案内図だった。
丁寧に色付けされた案内図によると、このフロアの下に、寿命転生装置なるものがあるらしい。
「…………行くしか、ない」
ヒバリは決意を固めて、血圧の変動により既に意識を失ったジンの身体を引きずりながら下の階へと向かった。
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