episode:1

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ダンスホールに、ひとつの銃声が響いた。 それは天井を打ち抜き、砕け散ったライトの破片が、ダンサーや客の頭上に降り注ぐ。 「キャァァァァァ! 」 「なっ、なんだ?! 銃声っ?」 慌てふためくホール内では、客の悲鳴と不釣り合いな音楽が響いていた。 一変してしまった現状に、脳内を整理する。 銃声ってことは、客同士の喧嘩かなにか? もしかして、テロとかじゃ……? 「ヒバリ、何ぼさっとしてんのっ。早く舞台から降りて、お客さんを避難通路に誘導するのよ!」 目尻を赤く塗り潰した派手なメイクを施した先輩にそう怒鳴られ、渋々舞台から降りる。 入り口の近くでは、黒づくめのガードマン達が、恐らく発砲したであろう男を取り押さえていた。 「お前、なんてことしやがるんだ!」 しかし、男は床に這い蹲りながら、不自然な笑みを浮かべていた。 ニヤリと白い歯を見せる男の表情に、胸が底知れない不安に掻き立てられる。 取り押さえられている現状なんか微塵も気にしていない、異常さ。 これからもっと良くない事がなにか起こりそうな……そんな不安が、私の鼓動を早くさせる。 そして、男は何かを呟く。 「楽しいパーティの、始まりだ」
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