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「バーンハートさんは、レッキーさんのどこに惹かれて友達になりたいんですか?」
「え?」
予想だにしない質問だったのか、バーンハートはユラの言葉に驚いた様子を見せる。しばらく考え込んだ後、バーンハートは小さくつぶやく。
「裏側を知ったから」
自分のつぶやきに納得するようにうなずいた後、バーンハートはユラを見据える。
「マドックって学校じゃ目立たないんですよ。俺もしゃべったことなかったけど、この間変わった連中と市場の掃除してるのを見て、すごいなって思いました」
「どんな人たちだったんですか?」
「不良っぽい見た目でしたね。でもみんなマドックの言うこと聞いてちゃんと掃除してたんですよ」
鼻息荒くバーンハートは話す。それを聞いたユラとしては、マドックの妙な迫力と話し方がどうやって形成されたかの見当がついた。
「どうしてマドックはそういう一面を隠して、学校ではあえて目立たないようにしているのか、気になってしょうがないんです。だから友達になりたい。俺には友達がいないから」
最後の言葉を聞いて、ユラの口は半開きで固まった。
「どうしたんですか?」
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