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「いいよいいよ、レッキーたちの良さを知ってくれる人が増えるのは嬉しいことだからさ」
ティモシーの人の良さを実感しつつ、ユラはお詫びと実益を兼ねてオレンジのコンポートを買うことにしたのだった。
店に戻り、ユラはマリーと共にオレンジのコンポートを食べることにした。
「余計に不思議ねえ。なんでわざわざキャラを変えるような真似をしたのかしら」
オレンジをつつきながら、マリーはユラと同じことを言う。
「本当は今の格好の方が好き、とか?」
「そりゃないわね。ご両親が厳格ってんなら、今の格好する方が簡単だったでしょ。むしろ派手な方が好みって言われる方が納得だわ」
「なら、誰かに何か言われて、格好を変えざるを得なくなったとか?」
「何かって何よ」
「そんなの分かるわけないじゃない」
ユラの推論をことごとく却下していくマリーをにらむが、当のマリーはにやにやと見返していた。
「何、その顔」
「べっつにぃ? ユラもお節介が板についてきたなあって思っただけよ」
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