桜 真夏の夜の花火大会

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ちょっと待って! 桜は丈に掴みかかりたい思いをなんとか抑えて、彼を睨みつけた。どうしてそこで真尋に話を振る!?四人で行こうって話だったよね!? 「興味ない。」 無表情のまま真尋が感情を一切込めずに答えるので、丈はつまらなそうに机に頬杖をついた。 「桜ちゃんの浴衣姿が見られるよ?」 ちょっと待って! 桜はさすがに黙っていられなくて、ガタリと席を立った。 私、浴衣を着ていくなんて言っていないし、だいたいなぜにそこまで真尋に絡むわけ!? 「だから興味ないって。俺、バイトだし。」 「安藤って本当に可愛げないよね。」 丈が最後には一人言のように「つまらん。」と呟くと、見かねた猛が丈の頭を軽く小突いた。 「そいういうのやめろって。」 「だって、あいつは俺のライバルだもん。」 完全に機嫌を損ねた丈が席を立って教室を出て行ったので、猛は桜と舞香に苦笑して、丈の後を追って出て行ってしまった。もちろん出ていく時に、真尋にフォローのために二言、三言、言葉を交わしたが、真尋は本当に気にしている風なく猛に笑いかけていた。
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