桜 真夏の夜の花火大会

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大丈夫?と心配そうに自分の顔を見る舞香に、桜は笑って見せたものの、内心は落ち込んでいたりした。 そりゃ真尋が飛びつくぐらい花火に興味を示すはずはないとは思っていた。それでも「桜ちゃんの浴衣姿が見られるのに。」と言った丈の言葉にも「興味ない。」とバッサリと切ったことは、桜にとっては少なからずショックではあった。 あの場面で正解の言葉なんてないけど、佐伯くんの挑発に乗るような人ではないことも知っているけど……私はどこかで真尋と花火が見られたらいいのにと思っていたのかもしれない。 「さ、ご飯食べよう!」 桜は全てを断ち切るように、勢いよくお弁当箱の蓋を開けた。 真尋の方に視線をやったって、彼はいつもと変わらず、コンビニで買ったパンを友達と漫画雑誌を読みながら食べている。深く狭くが彼の友達付き合いのモットーだが、軽音部の部員は同じ時間を過ごすことも多くて、真尋にとってはクラスでは気の許せる仲間たちではあるのだろう。彼らといる時はよく笑っている。
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