桜 お守りに欲しいの

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「桜ちゃん!」 言いたいことを言って、教室の後側のドアを出て行く真尋に視線をやりながら、舞香は興奮したまま桜に囁いた。 「私、自分に言われたわけじゃないのに、ドキドキしちゃったよ!」 はぁーと舞香は頬を抑えてとろんとした目をした。そんな舞香の隣で、桜もぼんやりとしてほぼ放心状態だった。 安藤くんがお祝いをしてくれるって。礼央たちも一緒に。誕生日だからやりたいことをしようって言われたことも、それだけで何だかワクワクした。 「今日はお昼を食べながら、桜ちゃんに色々聞かせてもらおうかな。」 舞香は心から桜と深く話したいと思っているようで、桜も舞香になら今までの真尋とのことを話せると思えた。聞きたいと言いながら、裏では桜ちゃんはモテることを自慢していると言いまくる人とは、舞香は明らかに異なっていた。
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