桜 お守りに欲しいの

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「桜……」 声をかけられて見上げると、真尋と目が合った。 「素は何がいい?」 「俺、絶対にトマト鍋!」 礼央がすかさず口を挟むと、 「却下。てか、うどんとトマトとか合わないし。それならキムチだろ。」 真尋がやめてくれと頑なに拒む。 「私は鶏出汁とかがいいなー。」 桜が素直に言うと、礼央と真尋は桜を半ばからかうような感じで、お互いに顔を見合わせた。 「どうする?翔太と亜貴に聞く?」 「絶対に鶏出汁って言うに決まってるって。桜の作る鍋が食べたいとか言って。それに俺はトマト鍋なら、鶏出汁派だから。」 「じゃあ、鶏出汁で決まりね。」 桜は陳列棚から鶏出汁の鍋の素を取った。買い物をするだけでこんなに盛り上がって楽しいのなんて初めてで、鍋をする前から桜の気持ちはお腹一杯だった。
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