菫 一緒にいたいの

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「大ピンチだねぇ。まぁ2年生にもなると仕方ないよね。来年は受験だし、部活では後輩も入ってくるし。」 放課後の教室で、成海は行儀悪く机に腰掛け、投げ出した足をぶらぶらと揺らした。成海の座る机の椅子に菫、そして通路を挟んだ隣の席に無関心な面をして、歩夢が座っている。 大ピンチなんて口にする割には、成海の目はキラキラしていて、いかにこのまとまりのないクラスをまとめるかに、やりがいを感じているようだった。 「もっと参加したいってものにしたらいいと思うんだ。如月さんもそう思わない?」 「私は別に。行事って苦手だし。」 成海の問いかけに歩夢は俯いた。 「何で苦手なの?」 菫が少しでも歩夢との会話を紡ぎたいという思いで、畳み掛けるように尋ねると、 「だって、クラスの中心の子たちが、あれしろこれしろって指図して、その言うことを聞くだけだもの。それなら一人でいる方が楽だわ。」 歩夢に小さい声ながらもはっきりとした口調で言われ、菫は返す言葉を失った。 「今も……先生に言われたから私はここにいるけど、あなた達は二人でいる方がずっと気が楽だと思うわ。」 「……。」 それは……何と返せばいいのだろうか。「そんなことないよ。」なんて嘘くさい。返答に言葉を詰まらせて、菫が成海を見上げると、成海は閃いたのか手を打った。
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