満月の夜の

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 窓から外を見る。  マンションの一室。そこから見える景色は、道の街灯や家の明かり。――そして夜景。  都会に比べたらこれでもキレイな方のなのだろう。  ここから見える夜景は満天とは言い難い。いくつか星がぽつぽつと見えるだけであった。  しかし一つだけ、ここからでもはっきりと見える星があった。 「……今日は満月か」  満月――月だけは寂しい空の中で、唯一明るく輝いていた。  キレイなはずの満月。だが僕はそれを見ていると心がざわざわする。落ち着かない。  ――それには理由がある。  思い出してしまうのだ、あのことを。  忘れたい。そう何度も願った。何度も忘れようと努力した。  だが忘れる事は出来なかった。  当たり前だ。忘れられるわけがない。  人間の脳はそんなに都合よくできていない。  あれだけの事があったのだ。  僕は過ちを犯した。決して許されない過ちを。  あの時の過ちのせいで僕は――――
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