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プロローグ
ブォォォオ!!!ドガァァァ!
そこからの記憶は無い。
ただ、今はフワフワと宙に浮いている心地だ。
死んだのだろうか?
恐らく俺は大型トラックに跳ねられた。
生きていたとしても無残な姿だろう。
「‥」
ん?
「‥よ」
誰かが俺を呼んでいる?
生きているのか?
俺はゆっくりと瞼を開いていく。
ずっと目を瞑っていた所為か視界がボヤけるが徐々に鮮明になっていくと、俺は大きく発狂する。
「なぁぁぁぉぁぁぁ!!!」
なんと自分は満月が浮かぶ雲海の上、感覚通り宙に浮いていたのだ。
そんな驚きの中、不意に後ろから「やっと目覚めおったか」と声がかかり振り返るとスキンヘッドで長い白髭を生やした着物姿の老人が浮いてた。
手には杖を持っている。
「って誰だハゲェ!!!」
ガコン!!
老人が持つ杖で、頭をど突かれた。
「ぬぅお!」
「会って早々に失礼な奴じゃな。」
「会って早々に杖で叩くのもどうかと思うけどぉ!」
「騒がしい奴じゃ。兎も角じゃがワシはお主に誤らねばならん。」
老人は踏ん反り返った。
「は?何の事だ?」
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