とある春の、とある学校にて――

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 思いきって、彼女の顔に俺の顔を近づける。  彼女の寝息が当たる。美しい黒髪から漂う、甘い匂いがする。心臓が破裂しそうなほどに、波打っている。  俺たちは恋人だ。だからキスをするのは、当たり前だ。  そして俺はヘタレだ。きっとここで出来なければ、いつまでたってもキスすらできやしない。  そして、俺は、彼女の唇に━━。
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