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『瀧 流星様、二十歳の誕生日おめでとうございます!!』
黒一色だけが埋め尽くす空間の中、デカデカとそんなメッセージが俺の前に表示されていた。
「えっ、なんだこれ!? というか……ココどこ!?」
突然目の前で起きた非日常。
思わず「はわわわ……!」「にょわーー!」と叫んだりと混乱してから三十分が経過。
「ハァ……ハァ……よ、よし、とにかくまず整理しよう」
息を整えながら、一つ一つ頭の中で思い出していく。
今日は確か、俺の誕生日。しかも二十歳という子供から大人へと、世間の温かい眼が氷点下0度の冷たい目へと変化する一大イベントだったはず。
その日の夜。
母と父、姉と俺で四人の家族。
そんな家族達に盛大にお祝いされたのを覚えてる。
しかも、俺のために姉が珍しくケーキを焼いてくれて……美味しかったなぁ。
「その後は……………………一切覚えてない」
あれ? いつの間にか寝ちゃったか? 美味しいケーキを食べてそれから……うーん、思い出せん。
「というかそれよりも、この目の前にあるコレは何だ?」
先ほどから変わらず目の前でデカデカと表示されているこの謎のメッセージ。
素直に受けとるならば、親しい友人が俺に贈るサプライズメッセージ…………が、その可能性は全く無い。
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