なよ竹のかぐや姫

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しかし夫の言葉が嘘ではないとわかるのに、それほどの時間はかかりませんでした。夫は竹を取りに行くたびに、竹から出てきたという金や宝石を持って帰り、赤ん坊はまたたく間に成長して美しい少女になりました。 「本当に、竹から生まれたんですね……」 引っ越した先の大きな屋敷の縁側で、使用人が手入れをする広い庭を眺めながら、妻はやっと納得の言葉をもらしました。彼女はもう職人のおかみさんではなく、まるで貴族の奥方でした。 妻は少女を可愛がりました。きれいな着物を何着もあつらえて、日に何度も着替えさせたり習い事をさせたりしました。少女はどこの子よりも物腰が優雅で器用で賢かったため、何をさせても注目の的です。妻は少女を連れて歩くのが何よりの楽しみになりました。 「おまえはお母さんの自慢ですよ」 母は娘が何か、うまくできたり人を喜ばせたりしたときには、決まってそう言ったものです。 夫はときどきそれをからかいました。 「自慢にならないような子どもは、あなたはいらないんでしょうね」 夫はまた「娘はお金をかけなくてもきれいだが、あなたのきれいにはお金がかかる」とも言いました。妻は竹から出てきた宝の一部を使って、それまで我慢していた高い化粧品や着物を買っていたからです。 そんな皮肉を言われるたびに、妻は夫への愛情と関心がなくなっていくのを感じました。しかし問題はありません。ずっと欲しかった子どもと財産を手に入れたのです。職人の夫は工房に籠っていてくれれば十分でした。 それから人を伝って高名な人物に頼み、娘に「なよ竹のかぐや姫」という名前をつけてもらいました。
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