夢6

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僕はかつて人だった。毛量も人並みだった筈だ。直立二足歩行もしっかりしていた。 だが、今は歩くことすらできない毛むくじゃらの動物になって毛むくじゃらの母親の腕に抱き抱えられながら人の往来の激しい朝の東京駅の近くで檻に入れられている。 皆僕を気味悪そうに見つめている。意味がわからない。僕はただ、普通に生きていたいだけ。今までだってそうだった。だから、そんな目で見られるような事はしていないはずなのだ。 僕はその視線を避けるようにして、真っ黒な母の体に顔を埋めるのであった。 ハテ?
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