第三の眼開く時

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ここは 運よく空襲で焼き出されなかった 下町風情を残す街 神勢町(しんぜいちょう) 隅田川の近く かつては水路が行き交う水の都であったこの町は 今では 高速道路に頭を塞がれて なんとも暗い感じになってしまいましたが 下町っ子たちは そんなこと気にもせず 一生懸命 お天道様に顔向けできないようなことはせず暮らしていました。 下町でも有名な 神勢神社の神勢祭りの神輿を担ぐために一年働いてるんでぇっと下町の江戸っ子気質を残しています そんな 下町にある 神埜小学校(かんのしょうがっこう)は かつて水路が縦横無尽に走っていた名残の小さな路地に囲まれてあります わいわい がやがや 今 学校が終業して 子供たちが 出てきました 校門の横に なにやら座っては 店を広げているおっさんがいます 「そこの子供たち、ほら見てごらん。世にも珍しいカラーのヒヨコだよ。ほぅらご覧」と 怪しげな呼びかけをしていますね やはり 低学年の子供が目をきらきらしながら見ています「おっちゃん。このヒヨコ青い鶏なるの~?」 興味津々 答えを待てば 短パン白いポロシャツ 麦わら帽子の怪しいおっさんが「さてどうかなあ?試しに育ててみなよ。青い卵産むかもしれないよ~」とこれまた怪しくも魅惑的な言葉を吐く香具師のおっちゃん 「ほら、今日でこの店は他に行っちゃうからお小遣いもらっといでぇ」と 子供たちを急かしていると そこへ 小柄ながらなにか 目付きの鋭い少年が そこへやって来ました この子が 本編の主人公 白毫 涙(びゃくごう るい)少年 ここ神埜小学校五年一組の生徒です
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