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あの時の僕は中学1年。入学し、部活に入り、それから雲のような時間が過ぎた秋のことだった。
かねてより僕には思いを寄せる人がいた。幼馴染のの女子だ。好きになった経緯はよく覚えていない。もしかしたら思い出せないのかもしれない。小学校1年の時に引っ越して来たことは覚えている。
僕はこれまでの時間をまるで雲が流れるように過ごして来た。しかし一生に一度しかない人生。何か事を起こそうと、彼女に告白をする事にした。それまで僕はよくある『今の関係を崩したくない。』という思いから、告白をためらっていた。いくらか話す場面はあったが、緊張のせいで自分でも何を言ったかよくは覚えていない。
告白の為に色々な準備をして、遂にその日を迎えた。その日は朝から緊張していたのを覚えている。大きく鼓動する胸を抑えて学校まで来た。彼女は朝早くに来るので、朝に告白する事、なるべく二人の時にするという作戦を立てていた。
しかし彼女は来なかった。いつも早く来るはずなのに。
その日は学校が終わると早く帰った。彼女の家へ行く為である。走って走って家まで行った。なぜそこまでしたのだろう。よく思い出せない。
とりあえず彼女の家に着いた。しかしそこにはトラックが数台止まっていた。僕は嫌な予感がした。僕は走り出して、トラックの横彼女の家の車まで行った。そこには彼女がいた。
・・・。記憶はそこで止まっている。また思い出すかもしれない。だが僕は、彼女の顔すら思い出していない。
散らばったゴミをベットに投げて見る。そして違和感に気づく。確かその日は・・・。
記憶をなくす前日かな?
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