みなかみ町の悪夢

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「おい兄ちゃんジュースを買うのかい!?」  大きな声に驚いて後ろを振り向くと大柄な男が立っていた。男は八百屋の格好をしており何がおかしいのか上機嫌そうに守を見ていた。守も無表情で男を見つめた。もしかしてこの自動販売機は壊れてて買えないと言うんじゃないだろうか?そう思った時だった。 「飲み物が欲しいならうちで買いな!きんきんに冷えてるし安いぜ!」 「えっと、スポーツドリンクもありますか?」 「勿論よ!この季節に必需品だからな!ガハハハハ!」  守はその男の店に立ち寄って飲み物を買う事にした。その八百屋は想像していたイメージとは随分と違っていた。店内は意外にも広く野菜や果物だけではなく沢山の品々が揃っていた。例えるならまるで一回り小さくしたスーパーのような場所だった。とりあえず、水分補給に適しているスポーツドリンクと麦茶、それからそれからいくつかの天然水を注文する。 「いくらですか?」 「たったの400円だ!」  男が元気よく答える。守は何も言わずバッグのチャックを開けスマホをしまうと代わりに財布を取り出し500円玉を取り出しレジの前に置く。 「まいどあり!今持って来るから少し待っててくれ!」  男はおつりを先に渡し在庫入れに消えていった。しばらく出て来なかった。 「お待ちどうさん!」  数分後、男が頼まれた物と普通サイズのコーラの缶を持って現れた。 「兄ちゃんたくさん物を買ってくれたからな!サービスだ!遠慮なく貰ってくれ!」  男は相変わらずの大声で笑いながら守に飲み物を入れた袋を手渡した。守は商品を受け取りお辞儀をして 「ありがとうございました。」  と嬉しそうにお礼を言った。 「おう!何か買いたい時はここにこいよ!」
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