忘れ去られた夢の行方

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小さな小さな研究室。 そこで、私と教授、2人だけの研究が始まる 。 「今日は『眠る事』について考えてみよう。」 と教授は研究室にあるホワイトボードにマジックで書きながら話し始めた。 「夢は脳内の情報整理のために見るとされている。 ユキくん、昨晩、もしくは今朝見た夢の内容を覚えているかね?」 と教授はこちらを向きホワイトボードを背に、右手を教卓に付き、左手で私をマジックで差しながら問いかけた。 ………何だったかな……… 「……忘れました。」 全く思い出せなかったので、私は素直にそう答えた。 すると、教授はバンッと両手で教卓を叩き、私を見据えながら言った。 「忘れ去られた夢がもったいないとは思わないかね? 今はエコの時代だよ! 再生紙を使ってトイレットペーパーが作られ、ペットボトルリサイクルでスーツだって作られる時代だ! 今や市場はエコ商品やリサイクル商品で溢れかえっている! そこで、私は考えた! 『夢』も再利用出来ないかと… そして私は『忘れ去られた夢だけ』を抽出する装置を発明した! それがこれだ!」 とホワイトボード横にあった装置から布を勢い良く取り去って、私に見せた。
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