繋がり届く

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高校一年生の夏休み、私は久しぶりにおばあちゃんの家に泊まることになった。家に到着するのばあちゃんの駄菓子屋で一番好きだったラムネを飲みながら浜辺を久々に散歩した。ラムネを飲むと泡のように今も忘れないあの日のことが頭の中に弾けた。 ー10年前の夏休み、私は大好きなおばあちゃんの家に1週間お泊まりした。そこで初めてラムネを飲んだ。おばあちゃんは私に教えてくれた。 「この中にあるのはエー玉っていってね、太陽に当てるとピカピカ光るんだよ」 「うん!!見てくる!!やったー!宝物だ!!なくさないように名前かくね!!」 私はそう言って、取り出してもらったエー玉にマジックで名前を書き、目の前に広がる浜辺へと走った。 真っ青な空に大きな入道雲、真上にギラギラ輝く太陽。私は太陽に向けてエー玉をかざした。 「わぁー!ほんとだ!私の宝物だー!」 夢中になって空に輝くエー玉を見ながら歩いていたら、石につまづいて転んだ。 「いったーい!!!、、、あれ、、あれ!!!」 私は、必死に探した。探しても探しても無かった。もう、日が傾いてきている。見つけなきゃ。もう涙が出そうなのを必死にこらえて探した。 「どーしたの。」 突然声がした。ビックリして顔を上げると色白で真っ黒な髪の男の子がいた。 「エー玉が、、エー玉がなくなっちゃったのー。」 ついに涙が溢れた。男の子は黙って私の顔を見たあと、ポケットをあさって何かを私の手に押しつけた。 「これ、僕のだけどあげる。君のを見つけたきっと、渡すから、それまでこれもってて。」 男の子に帰った方がいいと言われ、私は帰った。エー玉を大切に大切にポケットにしまって。そのあと彼には会わなかった。 ー久しぶりに歩く浜辺も太陽の日差しもラムネの味も何も変わってない。ポケットからあのエー玉をあの日と同じように太陽にかざす。 「宝物だ。私の。」 眺めながら歩いていたら何かにぶつかった。手から落ちたのがわかった。どうしよう!すぐに探し始めると、 「どーしたの。大丈夫?」 と、声が聞こえた。人にぶつかったのか!! 「あの、ごめんなさい。ぶつかったのに先に探し物しちゃって。すごく大切なもので。エー玉なんだけど、、っ!」 私の目の前にぶら下がっているネックレスの真ん中には私の名前の入ったエー玉が。涙で見えなくなりそうな視界に彼の顔がはっきり浮かんだ。 彼は嬉しそうにはにかんだ。 「それって、このエー玉?」
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