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よく見ると、目とか鼻とか口元とか、顔のパーツが瀬名さんに似ている。
化粧は薄いのに、綺麗な顔立ち。
こんな美形の兄妹って、本当に存在するんだ……。
「何?ジロジロ見ないでくれる?」
「え、あ、す、すみません!」
つい見とれてしまっていた。
彼女からすれば、私の印象きっとすごく悪いだろうな。
「あ、あの、カレーの味、どうですか……?」
「……まぁまぁ、美味しいけど」
「本当ですか?良かった……」
食べてもらえなかったらどうしようかと内心不安だったため、心底ほっとした。
「望愛ちゃんの作る料理は、何でも美味しいよ」
「あ、ありがとうございます……」
ここで甘い笑顔を見せる瀬名さん。
ある意味、反則だと思う。
胸がぎゅっと締め付けられる。
「麗奈は普段は東京で暮らしてるんだけど、今はこっちに旅行で来てるんだ。歳はニ十六だから、望愛ちゃんと近いね」
私の二つ年上なら、そんなに年齢は変わらない。
同年代の女性と話をするなんて、何年ぶりだろう。
それぐらい、私は今まで柊ちゃんとなっちゃんの二人としか関わってこなかった。
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