受け入れる覚悟

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「どうして気になったの?」 「ど、どうしてって……」 私の手に触れていた瀬名さんの指先が、私の頬へと移動した。 彼の指が頬を優しくなぞる度に、胸が震える。 「望愛ちゃんは、僕のことどう思ってる?」 「わ……私は……」 心臓の音が瀬名さんにも聞こえてしまいそうなくらい、激しい。 どう思っているか、なんて。 答えは、一つしかない。 「僕は、正直少し戸惑ってるよ」 「え?」 「こんなにも欲しいと願った人は、君が初めてだから」 「……っ」 「触れると、抑えられなくなりそう」 私の頬をなぞっていた指先は、唇へと滑り落ちていく。 「せ、瀬名さん!わ、私……!」 あなたのことが、好きです。 そう、言いたかった。 もう気持ちは決まっていた。 こんなにも胸が震えるのは、目の前にいるのが瀬名さんだから。 でも、どうしても自分の過去が邪魔をする。 受け入れがたい過去。 私自身、いまだに苦しめられている。 瀬名さんにとって、どれだけ重荷になってしまうのだろう。 そう思ったら、簡単に好きなんて言えなかった。
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