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「瀬名さんの気持ち……すごく、嬉しいです。……自分のことを好きだと言ってくれる人が現れるなんて、思いもしなかったから……」
毎日、夢みたいだと思う。
自分が恋を知る日がくるなんて、今でも信じられない。
瀬名さんへの気持ちを自覚してしまった日から、私の心はせわしなく動いている。
高鳴ったり、震えたり、時には沈んだり。
そんな気持ちを教えてくれた瀬名さんには、心から感謝している。
「でもきっと……私を好きだと言ったことを後悔する日がきます」
「僕は後悔しないよ。何があっても絶対に」
「……っ」
いつだって彼は、迷うことなく自分の気持ちを伝えてくれる。
きっと私は、そういうところに惹かれたのだと思う。
「……どうして絶対、なんて言えるんですか……?」
「僕の気持ちは、誰より僕が一番知ってるから」
「で、でも……!」
「じゃあ、僕が君を好きなことを後悔する根拠は何?」
その根拠を私が口にしない限り、瀬名さんは納得してくれないだろう。
私が言わなければ、何も伝わらない。
言わなくてもわかってもらえるような話ではないんだ。
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