314人が本棚に入れています
本棚に追加
「母が亡くなったのは……それから三日後のことでした」
間違いなく、私の言葉が母の心を壊してしまった。
私が何も言わなければ、弱音を吐かなければ、責めたりなんてしなければ、母が自ら死を選ぶことはなかった。
目が涙で滲んでくる。
瀬名さんの顔が、徐々に見えなくなっていく。
ずっと抱き続けてきた後悔の念が、涙となって溢れ出してしまった。
でも、中途半端に話を止めるようなことはしたくない。
私は途切れ途切れになりながらも、言葉を続けた。
「その後……母の遺品を整理しているときに、母が書いていた日記を見つけました」
その日記は、私が生まれた頃から書かれているものだった。
その日記を読み終わった後、私はその場で泣き崩れてしまった。
日記には、母から私への愛が溢れていた。
どのページをめくっても、私の成長を喜ぶ言葉ばかりが丁寧に細かく記載されていた。
私は、私を愛してくれていた母に最低なことを言ってしまった。
深く傷つけてしまった。
「わ、私を必死に守ってくれていた母を傷つけてしまったのに、この先愛されることを望むなんて……っ」
許されるはずがないんだ。
最初のコメントを投稿しよう!