甘くて苦い恋の始まり

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「パックとかは?たまに利用したりするの?」 「私はあんまりパックはしないんですけど、なっちゃんは大量にストックしてます」 「へぇ、そうなんだ。確かにストックしておいた方が、いざっていうときに困らないしね」 美容に全く興味のない柊ちゃんとは、絶対に出来ない会話。 もしかしたら瀬名さんは、女子力が高い男性なのかもしれない。 この間瀬名さんの寝顔を間近で眺めたとき、肌の綺麗さに驚いてしまったぐらいだから。 「瀬名さんも、美容に興味があるんですか?」 特に何も考えずに思ったことを口にすると、瀬名さんは一瞬驚いたような表情を見せた。 私……何かまずいことでも言ってしまっただろうか。 「そっか、望愛にはまだ話してなかったか」 「何を……ですか?」 「僕の仕事のこと。夏さんは最初から僕を雑誌で見たことがあったらしくて知っていたし、柊さんには質問攻めにされたから、望愛にも伝わってるんだと勝手に思ってたよ」 瀬名さんのお仕事の話。 確かに何の仕事をしているのか気になってはいたけれど、一度も深く聞いたことがない。
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