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「望愛……可愛い」
「あ……っ」
舌と、汗と、指先が絡み合う。
舐めて、溶けて、甘い蜜が溢れ出す。
肌と肌が触れ合うことが、こんなに気持ちいいなんて、知らなかった。
性欲なんて、男性にしかないものなのだと思っていた。
でも、違ったんだ。
今、私は確かに感じている。
もっともっと、触れてほしい。
私が知らない、奥の奥まで。
初めて互いの身体が繋がった瞬間、言葉では表現できないような甘い痛みを感じた。
でも、痛がる私に瀬名さんは優しく声をかけながら、最初から最後まで大切に抱いてくれた。
こんな私を求めてくれる彼を見つめながら、思った。
私はこの日を、永遠に忘れない。
たとえ命が燃え尽きたとしても、この日の記憶だけは消えてなくなることはない。
交わる熱から、彼の愛が伝わってきた気がしたんだ。
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