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この返答、良いですね。迷惑そうな表情したんですけど、その顔がまたどこか上の空で、上空先輩っぽいんですよね。
「やっぱり嘘ですよね。ではなんで上空先輩って呼ばれてるんですか?」
私は先輩に食い下がりました。先輩は校門を出て足早に街中を歩いていきます。私も足早についていき、先輩の横につこうと懸命に歩きます。
「先輩、無視しないで下さいよ!」
迷惑な後輩であることは分かっています。でも、先輩と話してみたかったんです。
先輩は私の声を無視し歩き続け、街角を曲がりました。私も先輩を追いかけて急いで角を曲がります。
しかし、曲がった先には先輩の姿がありません。上空先輩は一瞬にして消えてしまいました。
「先輩!上空先輩!」
私は周囲を見回して先輩を呼びかけました。目の目に見えるのはゴミ捨て場だけで先輩の姿はどこにもありません。
その時、突風が吹きました。
私はあまりの風の強さに驚き、目をつむります。一瞬、自分の体が軽くなったように感じました。
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