好きだけじゃ足りない-2

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望愛は、好意を抱かれたことに対して自分を責めていた。 望愛が悪いわけではない。 他人に好かれることは、むしろ良いことだと思う。 ただ、あまりに他人との距離が近くなり過ぎると危険な場合もある。 新しい世界に飛び込むことが、全て良い結果に繋がるとは限らない。 時には傷つくこともある。 自分を責めたくなるときもある。 それでも、進むことを諦めてはいけないと僕は思う。 「自分の知らない世界に飛び込むことは、もちろん悪いことじゃないよ。でも、もしそこで何か失敗したとしても、やっぱり自分はダメなんだ、で終わるのは勿体ないと思わない?」 「お、思います!」 「今回望愛が発作を起こしたことも、望愛にとっては相当苦しかっただろうけど、プラスの方向に捉えれば必ず次に繋がる経験だったと思うよ。だから、悲観的になる必要はないんじゃないかな」 一度でも自分はダメなんだと思ってしまったら、その思考は簡単には消えないものだ。 出来ることなら、望愛の魅力に惹かれる男なんて僕以外に現れてほしくないけれど、彼女を束縛するようなことはしたくない。 人との出会いで、人は成長していく。 彼女自身が成長することを望むのなら、この先も恐れずに人と向き合い、僕はそれを一番近くで支え応援していきたい。
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