好きだけじゃ足りない-2

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メッセージアプリを起動し中身を確認すると、メッセージは柊さんから届いたものだった。 『実は今日夏が体調崩して、望愛が一人でオープンキャンパスに行くことになったんだ。悪い!もし時間があれば、瀬名くんからも望愛に連絡してやってくれないかな』 「……一人で行ったのか……」 既に二十歳を過ぎている大人の女性が、一人でオープンキャンパスに行くとしても、普通なら何も心配することはない。 恐らく楽しんで帰ってきた後は、いろいろ話を聞かせてくれるのだろう。 でも望愛にとっては、決して普通のことではないはずだ。 そもそも他人とコミュニケーションを取ることが苦手な彼女が、一人で無事に帰ってこれるのだろうか。 望愛はパニックになると、たまに発作を起こすことがあると以前柊さんが話してくれた。 「心配だな……」 その場ですぐに望愛に連絡しようとしたが、月に一度の札幌支社での経営会議が始まる時間が近付いていたため、僕は会議が終わってから望愛に電話をかけることに決めた。 そして予定通りの時間内で会議は終わり、僕は会議室を出るとすぐに彼女に電話をかけた。
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