誰より大切な君が生まれた日

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望愛と初めて結ばれた日から一週間が過ぎ、望愛はまた厨房で一人で仕事をするようになった。 望愛に告白をした安藤は、学校の春休みが終わるのと同時にバイトを辞めた。 そのことで、ようやく僕の心に平穏が訪れた。 心が狭いことは自覚している。 望愛の心が他の男に傾くことはないとわかっている。 それでも、嫌なものは嫌だ。 柊さんには、今後店に男のバイトを雇うのは止めた方がいいと忠告しておいた。 望愛は、自分を過小評価する傾向にある。 だからか、自分の魅力に全く気付いていない。 この先ずっと、僕以外に彼女の魅力に惹かれる男が現れないことを強く願う。 「葛城。今日のスケジュールだと、何時に帰宅出来そう?」 「そうですね……今夜はS社との会食兼打ち合わせがありますので、恐らく午後十一時頃には帰れるのではないかと思いますが」 「今日もそんな時間になるのか……」 基本的に僕は仕事が好きなため、次から次へと仕事を詰め込んでしまうタイプだ。 望愛との交際が始まる前なら、どんなに帰宅が遅くなっても不満に思うことはなかったのに。 今は、どう効率的に動けば一分一秒でも早く望愛が待つ家に帰宅できるか。 そんなことばかり考えてしまう自分がいる。
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