解き放たれた光の先に

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「また望愛に会いたいわ。お兄ちゃん、出張の度に望愛を連れて来てよ」 「無理に決まってるだろ。望愛には仕事があるんだから」 「そうよね。望愛は仕事が大好きだから、休んでまでお兄ちゃんの出張について行くなんてしないわよね」 麗奈は楽しそうに笑いながらソファーに座り、辺りを見回した。 麗奈が探している人物が誰なのか、僕にはすぐに見当がついた。 「葛城なら来てないよ」 「えっ」 「とっくにホテルに戻って休んでると思うよ。一応一緒に実家に行くか誘ったけど、今日は疲れているので遠慮しますだって」 「……強引に連れて来てよ」 麗奈は本気で葛城に惚れている。 でも、その恋が進展するのは難しいだろうと僕は思っている。 葛城の前では素直になれない麗奈と、麗奈のことを未だにお嬢様と呼び続ける葛城。 どの角度から見ても、麗奈の恋が成就するとは思えない。 麗奈には幸せになってほしいと常々思っているが、厄介な相手を好きになってしまったことを不憫に感じずにはいられなかった。 「まぁ、いろいろ大変だろうけど、頑張って。僕は兄として応援してるよ」
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