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僕は驚きながらもすぐに反応し、電話に出た。
すると次の瞬間、彼女の柔らかい声が全身に響いた。
「あ、あの、望愛です。すぐに電話に出られたんで、びっくりしちゃいました……」
「僕も驚いたよ。今、ちょうど望愛に電話しようと思ってたんだ」
「え……」
「すごいタイミングだね」
偶然、なんて言葉では片付けたくない。
そう思ったことは、何度あっただろう。
僕はこの運命のような瞬間を感じる度に、彼女のことを今以上に好きになる。
「す、すみません、あの、特に用事はないんですけど……瀬名さんの声が、聞きたくなってしまって……」
望愛は、わかっているのだろうか。
そんなことを望愛から言われたら、僕は今すぐにでも帰りたくなってしまう。
僕と同じように、望愛も声が聞きたくなるくらい僕を好きでいてくれているのだと思うと、喜びで胸がいっぱいになる。
素直な気持ちを偽ることなく伝えた僕に対して、望愛は照れながらも、ハッキリと言ってくれた。
僕が札幌に帰ったら、話したいことがあると。
あのときの返事をしようとしてくれていることは、望愛の声色から伝わっていた。
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