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その後、僕は祝福や激励の言葉を周囲からかけられ、ようやく望愛と二人きりになれたのは日付がそろそろ変わる頃だった。
今日はマンションには帰らず、パーティーが催されたホテルで部屋を取った。
都内だから帰ろうと思えばすぐに家に帰れるけれど、たまにはホテルで望愛とゆっくりするのも悪くない。
「パーティー、すごく盛り上がりましたね」
「あぁ、まさか地下のバーで二次会に連れて行かれるとは思わなかったよ」
本来なら二時間程度のパーティーでお開きだったはずなのに、札幌支社のメンバーに強制的に二次会に参加させられてしまった。
もちろん望愛も最初から最後まで、僕に付き合ってくれた。
「僕は早く望愛と二人きりになりたかったんだけどな」
「でも私は楽しかったですよ。緊張しましたけど……こんな機会、滅多にないんで」
望愛は僕が着ていたジャケットをハンガーにかけながら、また嬉しそうに笑っている。
いつも可愛いけれど、今日の望愛は数倍可愛く見えてしまう。
僕はベッドに座り、望愛を呼んだ。
「望愛、こっちおいで」
「……はい」
やっと、僕の癒しの時間が訪れた。
この時間を、朝からずっと待ち望んでいたのだ。
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