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僕の隣に座った望愛に早速キスしようとすると、望愛は何か僕に言いたいことがあるのか、僕の唇を両手でふさいだ。
「あ、あの、待って下さい」
「朝からずっと待ってたんだけど」
「お、おめでとうございますって言わせて下さい!」
急に何のことを言っているのかわからず何も言葉を返せない僕を見て、望愛は慌てて今の発言の補足をし始めた。
「主語がなくてごめんなさい!……社長に就任するって聞いて、私驚いてばかりでおめでとうって言えてなかったと思って……」
「あぁ、そのことか」
「本当に……おめでとうございます。湊さんなら、お父様のように社員の皆さんから尊敬される立派な社長になれます。わ、私が全力で保証します!」
「ハハッ」
「そ、そんなに笑わなくても……」
「嬉しくて笑ったんだよ。望愛が保証してくれるなら、心強いなと思って」
別にからかっているつもりはない。
望愛の言葉一つで、僕はどこまでも強くなれる気がする。
何だって出来る気がするんだ。
「立派な社長になれるように努力するよ」
「私も、陰ながらサポートします!」
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