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「バカ言うな、俺はお前をコマチさん対応係にするために異動させたんじゃないんだぞ」
そう言って、大友は文子をたしなめる。
しかし、電話がかかってくる以上は誰かしら対応をしなくてはならず、そして対応するのであれば、自分がするべきなのではと、文子は思うのだ。
コマチさん自身は、吉峰がお気に入りで、まず吉峰を指名するのだが、いたずらに時間を消費させられるだけの対応を、多忙な吉峰に回すわけにはいかない。
結局、コマチさんの対応は、運悪く電話に出た人間が行う他ないという状況になっていた。
吉峰は、コマチさんの家族に働きかける方法は無いものかと考えていたようだったが、個人情報については、なかなか厳しいという事もあり、また、多忙ゆえに、吉峰自身が動く事もできず、膠着状態が続いていた。
実は、文子にはひとつだけ心当たりがあった。
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