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そうだな、残るかもしれない。でも、神原君が思い描いているような、甘い記憶ではない。ただのトラウマだ。それでも残ればまだいい方で、人間は、都合の悪い事は忘れるように出来ているのだから、神原君の存在なんて、忘却される可能性の方が大きい。あまりにも、不憫だ。
「それは、俺の3年間を犠牲にする理由としては薄いよ」
神原君は、俺の言葉なんて聞こえていないみたいに、本日3本目のマッチに手を伸ばす。
「忘れられたくないなら!もっといい方法あるし。理科室燃やすより強烈なやつ」
神原君が真っ直ぐに俺を見る。よかった、食いついた。
「あの写メ、拡散しよう。燃えるなら、その後にしない?」
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