ふたりの交換日記帳

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小学六年の春、クラス替えをした直後から女の子の間で謎の交換日記ブームが発生した。 今思えば、小学校最後の一年を仲のいい子との思い出作りの為だろう。 教室の右を見ても左を見ても、女の子達は花柄やキャラクターが表紙のノートを交換し合っていた。 私はあまり興味がなく、友達から誘われても面倒くさいよと言って断っていた。 毎日会う仲だというのに、一体何を書けというのか。 当時から、私はひねくれていたのかも。 中には好きな男の子と交換日記をしている女の子もいた。 廊下の隅や階段の死角で、こっそりとノートを交換している場面をよく見かけた。 私はそれを鼻で笑っていたわけだ。
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