その彼、僕の理想につき。

一

20??年1月。
都内某所にて。

『こんにちわー!!もうライブ終わったのー？』

そう、声をかけてきたのは…
まだ、あどけなさの残る少年。

「いえ、まだあと2時間位は誰も出て来ないと思いますよ？」

そう、この日は新年参戦1発目のイベントライブの日。
僕と友人はこの日を楽しみに日々仕事に励んでいたんだ―――。

『えっ？出て来るの早くなーい？まだ終わってないんでしょー？どーしたの？なんかあったのー？』

何の悪意もない、少年の一言に僕達は理由を話して聞かせることになるのだが。