8/19
前へ
/215ページ
次へ
そんな話をしていたら、あっと言う間に時間になった。 SEが流れ始め、会場の照明も暗くなる。 いよいよ、始まるのだ。 幕が開き、メンバーが一人づつ登場する。 既にテンションMAXの前列組は登場した各々の推しの名を叫んでいる。 そんな中、叫ぶでもなく咲くでもなく。 飛び跳ねるでもなく(物理的に無理だ)、僕はステージに立つ彼。サキさんをただ見つめていた。 一曲目からトバすナンバー。 それぞれが【今、楽しくて仕方ない】と言うのが分かるほど音が、声が、曲が、歌が活き活きと暴れているように感じる。 そして照明の下、彼の存在感の大きさに圧倒され。 彼が奏でる重低音に酔いしれ。 無意識だろうか、時折こちらに流す視線に心を鷲掴みにされ。 一時たりとも彼から目が離せなかった…。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加