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「ハァハァ意外と早いですね。ハァ何かやってたんですか?」
息を切らしながら、必死にポッチャリのおっさんを追いかけていた緑ネクタイが質問する。
「大学生の時にちっとな柔術をかじってたわ。高校生の時は、赤さん赤さんと呼ばれながら、バスケットもしてたわ。」
「道理で、動きにキレがある訳だ。」
そう言いながらも、緑ネクタイは距離を詰めてくる。
さっきから、2人は滑り台をの周りをグルグル回っていた。
言い出しっぺの子供はおっさんが全く追いかけて来ないので、飽きて他の子供達を呼んできてサッカーをしていた。
それを見ていると本当に馬鹿らしくなってきて、笑いが止まらなかった。
「何笑ってんのよ。鬼ごっこなんてどうでもいいからビー玉探しなさいよ。」
この様子に見かねたマリが痺れを切らして表れる。
「これも作戦の内なんじゃ。まぁー見ときなよ。すぐにわかる。」
〔何が分かるの?〕という気持ちを押し殺して、
「ふーん。せいぜい頑張りなさい。」
と言うと再び姿を消した。
ぶっと意識をおっさん達の方に向けると、
なんと、ポッチャリのおっさんがこっちに向かって走ってきていた。
あの野郎オラを巻き込む気だな。
狙いは分かったが、どうにも避けられそうにない。
終わりの見えない大人の鬼ごっこに巻き込まれてしまった。
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